就業規則の見直し-人手不足に備えて-
多くの業種で人手不足の企業が多く、また不足した労働者を新たに採用するがことが難しい状況にあります。
新たな離職者を減らし、働く時間や場所が限定された働き場のない休眠労働者を開拓し、新たに採用していくことが必要です。
柔軟な労働時間の設定、働く場所が限られた正社員、一つの会社にとらわれず兼業・副業などを行う労働者の多様なニーズを取り入れ、自社の働くルールを整備していかなければなりません。
その為には就業規則を見直し、働き方が多様化した全ての社員に対応した就業規則とすることが重要です。
離職者の主な理由
転職入職者が前職を辞めた理由別割合をみると個人的理由として「その他の個人的理由」を除いて全年齢を平均して男女とも以下の3点が男女ともに上位を占めています。
■転職者が前職を辞めた理由(個人的理由)
「職場の人間関係が好ましくなかった」 男:8.1% 女:9.6%
「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」 男:8.0% 女:10.1%
「給与収入が少なかった」 男:7.7% 女:7.1%
「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」「給与収入が少なかった」については企業の問題もあるものの、労働条件等について労働者への伝達の不備によるものと考えられ、いかにして労働者に労働条件を明確に伝えるかが課題になります。
多様な働き方の受け入れ
多様な働き方が求められている背景には、労働者のニーズの多様化があります。小さなお子様の育児や高齢の両親の介護などの必要から働く時間や場所が限定される労働者や、単に自分の好きな時間・場所で働きたい、複数の仕事をしたいなど、ワークライフバランスを重視した働き方を希望する労働者など様々です。
企業として労働者の様々なニーズに合わせた働き方に対応するには就業規則を働き方に合わせて契約社員、パート・アルバイト等個別に作成することも必要でしょう。
就業規則の周知
労働者が安心して働ける職場環境を作ることは、事業規模や業種を問わず、すべての事業場にとって重要だと思います。
あらかじめ労働時間や賃金をはじめ、人事・服務規律など、労働者の労働条件や待遇の基準をはっきりと定めることにより、働き初めてからこんなハズじゃなかったという様な事にならないよう就業規則により、社内ルールの見える化を行いましょう。
■就業規則の周知方法
- 常時各作業場の見やすい場所に掲示・備え付ける
- 書面で交付する
- 磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置する
まとめ
多様な働き方による社内のルールが複雑化しています。これまで正社員の就業規則しかなく契約社員、パート・アルバイトの就業規則か無い場合、裁判例から正社員の終業規則が適用される可能性があり雇用形態別に就業規則を作成するなど早急に対応が必要です。
その際、誰に適用される就業規則なのか明確にすることが重要です。
個別契約書により、労働条件を明示するとしている場合でも個別の労働契約書よりも就業規則の規程が優先される為、雇用形態別の就業規則を定めることをお勧めします。
※就業規則の作成には以前か書いた記事も参考にしてください